2013年10月20日

PC-9801の黄昏の境界を遊んでみた

※この記事は一応18禁ソフトの話題です。
18才未満の方はポケモン新作が出た上にぶーちゃんがフレアドライブ覚えるようになったので、今こそ5000匹のイーブイにほのおのいしを使う仕事にお戻りください。


ホラーゲーム買ったんだお( ^ω^)

黄昏の境界

黄昏の境界っていうゲームだお( ^ω^)
パケ絵見たらなんか怖そうだから、一切下調べせずに買ってみたお( ^ω^)

……で、プレイしてみると……

【彰(主人公)】:オッス!おらトレジャーハンター、宝を追い求めてたら高校落第しそうなんだ!(要約)

( ^ω^)は?とれじゃーはんたー?落第?

黄昏の境界
※出先の村で始めて出会う人

くそっ!パケ絵に騙された!
パケ絵と全然違うじゃないか!なんなんだよ、あのばれたかげろげろみたいなパケ絵は!

久々にパケ絵詐欺に引っかかったか、と思ったらプレイすればするほどそれどころの騒ぎではすまなくなってしまった。。。
なんだかしゃくなので、レビューっぽく書いてみる。



最初に説明書を見ると、

本ソフトウェアには、コピー防止の為のプロテクト処理が施されています。

と、書かれているが、試しにLinux上でddコマンド使って適当にディスクイメージ作って、このイメージ使ってインストール。
そのままプレイしたらなんの制約もなくプレイできるんですけど。
これ、本当にプロテクトかかってるのか?
実機とWizard98でディスクアナライズしてみたいような気もするが、そこまでしたくなるようなゲームでもないからやってないが。
説明書を見るとPC/AT互換機版も発売されているようで、こちらとの兼ね合いでプロテクトの実装を断念したのかもしれない。
(※PC/AT互換機はPCメーカーによって実装しているFDDがバラバラなので変なフォーマットをかけられないのです。。。よって洋ゲーにはマニュアルプロテクト物が多い。)

どちらにしても、プロテクト周りは一切いじってないので法的になんら問題ありません。



開幕から既に香ばしく、非現実的なトレジャーハンターと、現実的な高校生(但し落第寸前)という消化不良を起こしそうな主人公。
体を張って中二気取る姿に漢を感じるが、落第してまでやることじゃないだろ。
っていうか、高校生って設定いらないでしょ、実際作中高校生である理由ひとつもないし。
更にイザナミ(主人公のかーちゃん)がトレジャーハンターギルドの元締めである、どういう世界観なんだよ、これ。。。

そんなイザナミからT県の神谷村にある宝を探してこいという仕事を与えられる。
神谷村というのはWikipediaさん曰く実在していたようで、

神谷村 (福島県) - 福島県石城郡神谷村(かべやむら、1950年5月15日消滅、現いわき市)
神谷村 (高知県) - 高知県吾川郡神谷村(こうのたにむら、1954年10月1日消滅、現いの町)


だ、そうである。
高知県を無理矢理たかち県と読めば合致するかも。
しかしこの両村を見ても分かるとおり読み方がバラバラ、説明書にもルビは振られていないので神谷村をなんて読めばいいのか分からない。

それはさておき、神谷村になんだかお宝があるらしい。
東京に本拠地があるトレジャーハンターギルドで、イザナミはお宝に関して(原文ママ)、

【イザナミ】:ギルドが集めた村の伝承についての資料を渡しておくわ。それにはいろいろと興味深いことが載っているわ。鬼が埋葬されたとき、副葬品として納められた財宝のこととか、ね。

このメッセージから2回リターンキーを叩くといきなり神谷村に移動、この時主人公曰く(原文ママ)、

【彰】:ここが鬼ノ天戸遺跡か。・・・この下に≪鬼の御魂≫とやらがあるのか。

いつの間にか副葬品の財宝が鬼の御魂に決定してたでござるの巻。
鬼の御魂を探そうと思うに至った経緯に関しては一切触れられていないし、資料になにが書かれているかなんて説明もなし。
確かに説明書には鬼の御魂が目的と書かれているが、これはなにか違うでしょ。

明らかな説明不足であるが、この説明不足は作中至るところに散見される。。。



※ここより先はネタバレを含んでいます。

村にある神社は過去に5巻ある古文書を盗まれ、うち1巻は取り戻したが残りは行方不明である。
うち1巻は闇業者経由でイザナミが手にし、主人公に写本として手渡される。
この古文書はパピルス紙でできており放射線を発してる、と言われるがこの件はその後一切触れられない。

村の某所に卒塔婆が立てられており、大半は梵字で書かれているが一部セム語で書かれているものがある。
この卒塔婆は神社の神主が書いたものらしい、マヤ(神社の巫女)に聞いてみようと思い立つも、その後一切語られることはない。

最終局面、鬼を復活させるのに古文書が必要、主人公の持っている2巻が奪われてしまい……

才蔵:手持ちの2巻を合わせて4巻集まったぞ!(要約)
メラニー:儀式にはこの最後の封書(古文書)が必要だお!(要約)


お前らどこからそれ見つけてきたんだよ!
盗まれて以後古文書がどのような経緯を辿ったかなんて、当然一切触れられていません。
才蔵が盗んだとしたら、内1巻が闇業者に流通してるわけないでしょうし、メラニーが持ってるはずもありません。
闇業者が持ってる時点で盗んだ人が売っ払ったってことだとは思うけれど、盗んだ人が誰かなんて語られてるはずもありません。

その後周囲は白装束の信者たちに取り囲まれる……この人たちどこから来たの誰なの?
今までこんな人たちいなかったでしょ。。。

極めつけに、鬼が復活し対峙している時、

メラニー:鬼を倒すにはこの槍が必要よ!(要約)

だから!そんな重要アイテムをどっから持ってきたんだよ!
神を葬る武具にしてはバイオハザードのロケランみたいなお手軽さ、どうせならチェーンソーだったらおもしろかったのに。
ついでに、この鬼に対してメラニー曰く(原文ママ)

あれは・・・天使でも鬼でもない。あれは・・・
哀れな人・・・。彰、こいつは人の欲望を喰らう魔物よ。
これは・・・、神を葬るために作られた槍。
熾天使ちゃん、ワタシと遊びましょ!
これは鬼の力の源・・・。
そう・・・。あの旧時代の遺物たちを、すべて消し去ることがワタシの使命。


天使でも鬼でもなく、魔物と呼ばれ神と呼ばれ熾天使と呼ばれ鬼と呼ばれ遺物と呼ばれ。。。
結局正体不明のUMAである(´・ω・`)



おかしいのはシナリオだけでなく、どうもグラフィッカーとのコンセンサスすら取れていないようで……

黄昏の境界

村の洞窟で発見される十字架。
旧約聖書、というよりは多分キリスト経がモチーフだと思うのだが、確かに隠れキリシタンをモチーフにした作品は多く存在する。
その十字架(アンク)は、一応十字架の起源とも言われてはいるのだが、しかしこの場合なにか違うのではないか。

黄昏の境界

洞窟内でメラニーが目印として書いた落書き。
私には、MER.と書いてあるようにしか見えない。

一番強烈なのは、ヒロイン3人のいずれかとのハッピーエンド。
全員もれなく生き返るご都合主義エンディングなのは置いておくとして、この時のグラフィックが髪型と目の色と口の差分で胴体は共通という恐ろしい使いまわし。
お前らキャ○テン翼か!描き分けする気なしか!



はっきりいって洞窟内がダルい、ランプの時間制限もあってマッピングは非常にダルい。
破邪の封印みたいなミニマップも一緒に表示されるので、3D画面はほぼ見てない。
こんな仕様なのでほとんど意味がないターンテーブルが地味にウザい。
途中に出てくる霊等も障害物としてしか機能してない。
地上で見られる遺跡が洞窟内では石柱として発見できるが障害物でしかない。
村を移動している時にも一瞬霊が表示される演出があるが脈絡もなく表示されるだけなので怖くもなんともなく、同じことは怨霊戦記が先にやってるしこっちのほうが演出的にもうまい。



結局のところ何もかもが説明不足、本当にやりたいことができずに力尽きた感が非常に強い。
主人公の正体も、鬼の御魂の件も、イザナミの目的も、メラニーの正体もなにもかもわけわかめ。
3Dダンジョンも徘徊する必要性が全く感じられない。
箱の裏にはオカルティック・ホラー・アドベンチャーと書かれているものの、怖がる場所が全くなかったり。。。
もし97年にKOTYeがあれば、ノミネートくらいはされるのではないか。

なお、エロゲとして見た場合であるが、これは好みの問題であるため前述の絵から判断して。
だってこれに関してはホラーゲームとして買ったんだもの、エロ方面は考慮してませんから。
ただ一つだけ言えることは、全員「たわし」である。

攻略サイトが一切ないので、自力でマッピングやらなんやら色々作りました。
需要皆無だとは思うけどこれの攻略(不完全)そのうちアップしときます。。。

どちらにしても、正直ゲームとしてあんまりおもしろくはないです。
結局なにが黄昏の境界なのかすら不明なままでしたし。

でもね、同じ黄昏でもこっちのほうがまだおもしろいと思うの。

黄昏のオード

目くそ鼻くそか。
こいつは振動石のくだりで思いっきり脱力した記憶が。
posted by えとかみ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | レトロPC
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